筋肉の構造について
この項目では、簡単に筋肉の構造について話していきましょう。 筋肉は大きく3つに分けられます。骨格筋、平滑筋(内臓や血管など)、心筋(心臓)の3種類です。今回は骨格筋(以下筋肉のこと)についての話をしていきます。筋肉そのものは、これを読んでるあなたもご存知の通りタンパク質でできており、骨格筋の特徴としては、横紋という明帯と暗帯が交互に見られ、その部分には収縮タンパクのアクチンとミオシンというものが存在しています。このアクチンとミオシンがお互いに滑走することで筋肉は収縮するのです。 そのような筋細胞が、1本の筋繊維となり、束になって筋肉を形成しています。
筋肉の代表的な働きとは?
筋肉はいくつもの大事な働きがあります。代表的な働きとしては、 まず第一に、筋肉は体を支えており骨も強化します。当然地球の重力に耐えて、バランスを保っているのは筋肉のおかげです。 第二に、ポンプ作用としての働きです。血液は心臓から押し出されて動脈として身体中を巡って、静脈血となり心臓に戻っていきます。心臓から出ていく際には、酸素が含まれた動脈血で身体中に酸素を供給します。心臓に戻る際には二酸化炭素や老廃物を多く含んで肺で酸素を取り込み二酸化炭素を排出するというガス交換が行われます。また、リンパ液は身体中にリンパ管が張り巡らされていますが、リンパ管は心臓とは繋がっているわけではなく、リンパ管の筋繊維は動脈よりも弱く、自力では体を巡らせるためのパワーがそれほどありませんから、そのリンパの流れを良くするためには筋肉が働き循環を助けています。 第三に、熱を産生します。人間の体温は大体36°〜37°くらいですよね。最近は35°台の方を多く見かけますが、低体温は免疫力も下がってしまいます。しっかり体を動かし、筋肉を使うことが大事です。 人間の体温を維持しているのは多くは筋肉の働きによります。体の熱産生は60%が筋肉です。そして代謝や免疫などにも関係しています。 四つ目は今回のメインになる話ですが、筋肉はホルモンの産生も行っていることについてお話ししていかなければなりません。そのことについては、次の項目で話していきましょう。筋肉とホルモンの関係と運動の大切さ
筋肉が作っているホルモンとは、「マイオカイン」と言われるものです。 マイオカインは総称ですが、いくつかのホルモンがあり、それぞれのホルモンが色々な働きをしています。健康に対する予防や疾患の改善にも大きく関わり、筋肉はホルモン産生にとって重要な臓器になるのです。 例えば、どんな働きがあるのかというと、-
糖や脂肪の代謝を促し、肥満や糖尿病を予防(IL-6) 筋肥大の促進、認知症の予防(IGF-1) 大腸癌の予防(SPARC) 肝臓で脂肪を分解し、脂肪肝を改善(FGF-21) 肥満や糖尿病の予防(アイリシン) 脳の神経細胞を生育(BDNF)